【ツール2016】2週目の感想(10~16stage)
2週目終了時の予想
総合:キンタナ
山岳:マイカ
ポイント:サガン
新人:ダニエルマーティン
2週目終了時結果
総合:フルーム
山岳:マイカ
ポイント:サガン
新人:アダムイェーツ
ジ
ダニエルマーティンは新人どころかベテランの選手でしたね。アダムイェーツと競っていたので勘違いしてしまいました。それ以外は予想的中でした。
マイカはコンタドールリタイアで山岳賞に集中できていることと、中野マッサーの話によるとピーキングがうまくいっていることが結果につながっていると思います。決して安全圏ではありませんが、ライバルの反応をみてから動けばいいという優位なポジションにいることは強みです。
サガンはステージをとらなくてもジャージを取れるというのに、今年は3勝もしている。残りポイント的にも5年連続ポイント賞は確定かな。
個人総合ですが、すっかりお馴染みの風景に。
フルームが抜けだして、鉄壁スカイトレインが集団をコントロール。
フルーム(総合リーダー)
下りでも平坦でも登りでもTTでもチーム力でもライバルを圧倒。納得の総合1位。どうやって倒せばいいんだ状態。特にTTではTTスペシャリストと肩を並べるタイムで走った。(デュムランはそれを上回る異次元ぶりだったけど…)
モレマ(総合2位 + 01' 47'')
12ステージモン・ヴァントゥで抜けだした3人のうちの1人。総合勢ではフルームに次ぐTTタイムだったことが順位につながっている。
イェーツ(総合3位 + 02' 45'')
ヤングライダージャージが個人総合でも大健闘。2週目は1週目とくらべて集団後方に位置することが多かった。TTではキンタナと並ぶそこそこの走りをしていて驚いた。ジロでのチャベスに続いての若手の活躍。オリカは総合チームとして生まれ変わろうとしている?
キンタナ(総合4位 + 02' 59'')
1週目で動かない理由は2週目3週目での逆転を狙っているからだと思っていた…。現実は「動かない」ではなくて「動けない」だった。グランツール連戦のバルベルデのほうが動けてるくらいである。決してTTは遅くないほうだが、フルームから2分も離されたのは驚いた。3週目には山岳TTも用意されている。逆転は容易ではない。
バルベルデ(総合5位 + 03' 17'')
なんでこの人こんなにやれるのか分からない。
バルデ(総合6位 + 04' 04'')
積極的な動きをみせているが、差をつけられずにいる。ライバルのピノーは気管支炎のためにリタイア。治療のためオリンピックもスキップすることに。今年のフランス勢ではアラフィリップの活躍が印象的。ツールのようなステージレース向きではないが、爆発力があって見ていて面白い。
ポート&ヴァンガーデレン(総合7,8位 + 04' 27'' + 04' 47'')
新入りのポートのほうが好待遇を受けているってどうなの?と開幕前には思っていたけども、確かに実力的にはポートのほうがやや上手のようにみえる。チーム力的にも自分たちでいくというより誰かに便乗してタイム差を稼ぎにいく。
アルー(総合10位 + 05' 16'')
アルーは思ってた以上に集団に食らいついている印象。個人としては大健闘しているといっていいかもしれない。ただチームがうまく機能していないようにみえる。アスタナらしくないな。
トップ10争いは意外と肉薄としていて面白い。9~13位が1分以内にひしめいている。個人的にはランプレのメインチェスと今年で引退のホアキン・ロドリゲスを応援している。
ツール名物スカイトレイン
山岳でもスリップストリームが有効になるスピード(20km)で集団を牽引する。スリップストリームが有効といっても、山だし足にくる。そこで切れるようでは勝負に絡めない。そこそこのスピードなのでアタック時にスピードギャップがつきにくい。中距離走の途中から短距離をはじめるようなもの。
なかなか剥がれないうえに、剥がれたとしてもフレッシュなのが控えてる。総合1位にやられるときつい。野球でたとえると、2点台の救援陣が何枚も控えてる感じだ。もう試合は終盤6回すぎて4点差、相手は打線も強いっていうのに。
とはいえ、今大会で最も差がついたのはTTステージ=個人の差だったことは強調したい。
感想
コツコツとアドバンテージを稼いでいたフルームがTTステージで決定的な差をつけた。今年のフルームは個の力で勝っているイメージ。それだけに王者でいることに納得がいく。このままいったら完勝といってもいいんじゃないかな。
展望
残りは4ステージ+パリ凱旋。よっぽどのアクシデントがなければタイム差的に1ステージでひっくり返すのは難しそう。18ステージには山岳TTが待っている。そこではフルーム圧勝が予想される。数日にわたってフルームを圧倒する可能性のある選手はというと…うーん。
ジロでのクライスバイクのように1回の落車で形勢が一変することもある。そういう展開を誘発するようなステージ設定しているんだこれが。実質的な最終20ステージの最後はリスキーな下りゴールとなっている。超速であっという間に下りきるだろうけど、今大会1番濃密な時間になることは間違いない。
3週目終了時予想
総合:フルーム
山岳:マイカ
ポイント:サガン
新人:イェーツ