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今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

 

中学生くらいのときに読んだ

 

「数学を使わない数学の講座」

小室 直樹

 

という本が今でも印象に残っている。

 

小室直樹さんという方は多くの肩書を持っていて

それなりに知られる方だったらしい。

小室直樹 - Wikipedia

 

当時中学生くらいの私は

この方を全く知らず、ただタイトルに惹かれて読んだのだった。

 

数学の講座 とあるが、

正確には論理学の範疇だと思う。

 

また、

数学を使わない

と前置きしているように、難しい証明式などもなく

それほど突っ込んだ話もないので

 

かなりヌルい本とも言える。

 

文章はエッセーのようで柔らかく読みやすい。

違和感も少なく、楽しく読み終えた。

 

もし今の私がこの本を読んでも何も残らなかったろうな…と思う。

それほど初歩的で当たり前なことが多すぎるからだ。

(当たり前と言い切れるのもこの本のおかげ)

 

Wikipediaによると

実はこの本、

1981年に『超常識の方法』 頭のゴミが取れる数学発想の使い方』

として出版されていたものを

2005年に別の出版社から『数学を使わない数学の講義』として再出版したそうです。

 

自ら「超常識」と言っているのだから

良識のある人間からするとつまらないのは当たり前か。

 

じゃあ、常識がない人間にはとても新鮮なのか?というとそうでもない。

自分の中でなんとなーく感じているものを確立されるのがこの本なのである。

 

この本を読む頃の私は、揺らいでいた。

(思春期ですわ…。)

「これは正しい…はず」

「間違っている…はず」

いまいち自分に自信が持てなかった。

 

この本を読破した中学生の私は

論理構造にとても興味を持つようになった。

人ではなく「論」に重きを置き、冷静に物事を見つめられるようになったのだ。

(逆に冷静になりすぎて自分というものをなくしかけたけども…。)

 

「論」をみることによって、

逆に「論」から人が分かることもある。

 

機械のような目を持つことで、人の正しさや間違いを

ただ1つの現象として

真摯に受け止めることができるようになった。

もちろんこれは、自分に対してもだ。

 

この本を読んでから自己分析がだいぶ進んだと思う。

 

ありがちな表現だけど、

世界が広がった。

 

 

 

おすすめの本ではあるけれど、

教科書を薦めるような気持ちになる。

 

とにかく私にとってはタイミングが良かったのだ。

 

本もまた出会いなり。